副業解禁の流れで、休みの日やスキマ時間に副業をされる方が増えているのではないでしょうか。しかし確定申告となると敬遠したくなりますよね。
その確定申告ですが、副業にはさまざまな種類がありますが、ほとんどが雑所得に分類されます。この記事では、副業の種類別に雑所得のポイントを解説いたします。
確定申告の前に少し知っておくだけで、違うかもしれません。お役立て頂けますと幸いです。
Contents
雑所得の基本
サラリーマンの方が本業の給与以外で収入があった場合や、主婦の方がパートやアルバイト以外の収入を得た場合を想定して、副業を解説していきます。
※副業の所得は事業所得として申告を行うことも可能ですが、この記事では雑所得として取り扱っています。
ほとんどの副業の利益は雑所得になり、雑所得の計算方法に従うことになります。雑所得の計算方法は以下の通り。
副業別の税金や知っておきたいポイント
以下では、主に雑所得の収入や必要経費を中心に副業別に税金面で知っておきたいポイントを解説していきます。
ダブルワーク
副業として雇用契約があるパートやアルバイトをしている場合は、雑所得ではなく給与所得になります。さらに副業の給与が年間20万円を超える場合は、本業の会社で行う年末調整に加えてご自身で確定申告を行う必要があります。
日雇い・単発バイト
日雇い・単発バイトは、雇用契約がある場合は給与所得になります。しかし、中には雇用契約がないものがあり、この場合は雑所得にすることができます。
雑所得として計算する場合は、日雇い・単発バイトの収入から交通費や消耗品などの必要経費を差し引いて計算しましょう。
クラウドソーシング
クラウドソーシングサイトの業務内容はさまざまですが、報酬支払いの際に所得税の源泉徴収が行われていることが多いです。源泉徴収は所得税を前払いしていることになっているため、確定申告では必ず源泉徴収金額を計算し申告を行いましょう。
ライター
ライターの報酬は原稿料として報酬金額の約10%が源泉徴収されています。確定申告の際には忘れずに源泉徴収金額を計算しましょう。
また、ライターは執筆内容によって必要経費が違ってきます。執筆内容に関する書籍、商品やサービスにかかった費用を必要経費とすることができます。
デザイナー
デザイナーの必要経費は、専門書籍の代金、PC代、ソフトウェアの購入代金・利用料、セミナーの参加料金などがあります。特にPC代、ソフトウェアは取得価格(購入代金と付随費用の合計)が10万円未満のものであれば、購入した年の必要経費にすることができます。
10万円以上の場合は、耐用年数に応じて必要経費になります。副業でも使用し、かつプライベートでも使用する費用がある場合は、その割合を計算して必要経費に含めることもできます。
配達
配達の必要経費は、自転車代やガソリン代などがあります。配達のために使用する自転車や原付バイクは取得価格(購入代金と付随費用の合計)が10万円未満のものであれば、購入した年の必要経費にすることができます。10万円以上の場合は、上記と同様になります。
また配達中に発生した交通違反などの罰金は、必要経費にならないため注意が必要です。
動画配信
動画配信は、機器や衣装代、交通費など幅広く必要経費が存在します。動画の内容に直接かかった費用は当然ですが、プライベートでも使用できる費用がある場合は、合理的な割合で必要経費とすることがきます。
また動画配信・投稿による収益が大きくなってきた場合は、雑所得として申告するよりも事業所得として青色申告控除を使う(一定の手続きと帳簿付けが必要です)ことを検討しましょう。
せどり・転売(国内転売)
せどりの必要経費は、販売時の送料や仕入時の商品代金から送料、倉庫代などが含まれます。利益が大きくなってきた場合は、雑所得として申告するよりも事業所得として青色申告控除を使う(一定の手続きと帳簿付けが必要です)ことを検討しましょう。
また、雑所得として申告しても売上高が1,000万円を超えると消費税の確定申告が必要になるため注意しましょう。
せどり・転売(輸出、外国転売)
国内のせどりと同様に必要経費の範囲が広く、関税にかかった費用も必要経費に含まれます。また、消費税の課税事業者となることで必要経費として支払った消費税の還付を受けられる可能性があります。
雑所得の必要経費の範囲はどこまで?
必要経費の根拠となる条文(所得税法)は以下の通りです。
(必要経費)
その年分の不動産所得の金額、事業所得の金額又は雑所得の金額(事業所得の金額及び雑所得の金額のうち山林の伐採又は譲渡に係るもの並びに雑所得の金額のうち第三十五条第三項(公的年金等の定義)に規定する公的年金等に係るものを除く。)の計算上必要経費に算入すべき金額は、別段の定めがあるものを除き、これらの所得の総収入金額に係る売上原価その他当該総収入金額を得るため直接に要した費用の額及びその年における販売費、一般管理費その他これらの所得を生ずべき業務について生じた費用(償却費以外の費用でその年において債務の確定しないものを除く。)の額とする。(引用: 所得税法(平成31年度(2019年度)版)第5節 必要経費より)
上記を簡単に要約すると、「雑所得の必要経費は、雑所得の収入を得るために直接的または間接的にかかった費用」といえます。
間接的な費用の金額は、全額または合理的な割合で必要経費とすることができます。
※上記の要約は必要経費に対する1つの解釈です。必要経費は副業の内容によるためご自身の判断の際に参考にしてください。
副業別確定申告の対応目安まとめ
今年から副業にチャレンジしたい方や、副業の確定申告で困りたくない方向けに副業と雑所得で注意する点を主に解説しました。確定申告では雑所得を計算する際に、収入金額、必要経費を集計・計算することになります。
確定申告時には、簿記の知識が特に役立ちます。簿記に関しては以下の記事でまとめておりますので、こちらもご参照くださいませ。

最後までご覧いただきありがとうございました。